Kery 「うるさいわね、いつまで言ってるの? あら、キム」
Kim 「はあい、(循環器質)の患者はここ?」
Kery 「診察3号の男性が(腹筋誘導)の世界記録を作るんだって」
Kim 「わかった」
Kery 「こないだ電話しようと思って」
Kery 「(hiccup)」
Kim 「あら」
Kery 「ごめんなさい」
Kim 「かからなかったでしょ? 電話機の調子が悪くて」
Kery 「あら、そうなの、聞いてれば、それを、プレゼントしたのに…。メリークリスマス」
Kim 「あら、うれしい」
Kery 「あの、旅行に行ってて、見つけて、どうしてもと思って。持ってないといいんだけど」
Kim 「どうもありがと」
Kery 「どういたしまして」
Kim 「あけてもいい?」
Kery 「あ、あとで」
Kim 「わかった」
Kery 「(hiccup)」
Kim 「頭を逆さにして水を飲むとすぐに止まるわ。私はね。いつもそう」
Kery 「ありがとう」
Kim 「じゃあね」
Kim 「あたしを呼んだ?」
Kery 「あ、ええ。外傷2号に、犬に噛まれた子ども。ショックが大きいので精神科のフォローが必要かと思って」
Kim 「わかった」
Kery 「開けてみた?」
Kim 「何を?」
Kery 「ほら、プレゼント」
Kim 「ああ、ごめん、まだなの」
Kery 「私も行く」
Kim 「そお」
Boy 「パパは来るの?」
Kim 「分からない」
Kery 「今、ママが、電話してる」
Kim 「来ると困る?」
Boy 「殺されるよ。こっそり戻そうと思ってたんだ」
Kim 「戻すって何を?」
Boy 「ウィンストンは大丈夫?」
Kim 「犬のこと?」
Boy 「薬で眠らせないよね?」
Kim 「かわいそうだけど、理由もないのに、人間に襲いかかる犬は…」
Kery 「(hiccup)」
Kery 「ごめんなさい」
Boy 「待ちきれなくて」
Kim 「何が?」
Boy 「プレゼント開けちゃったんだ。開けたらやっぱりエアライフルで…」
Kery 「それで犬を撃ったの?」
Boy 「試しただけだよ」
Kim 「7号の患者が自発的に入院すると言ってるわ」
Kery 「ごめんなさい。しゃっくりよ」
Kim 「今のは?」
Kery 「ランディの方法よ。わらにもすがる思い」
Kery 「気に入った?」
Kim 「とっても。初版ね。高かったでしょう?」
Kery 「友人が喜ぶなら少々高くても構わない」
Kim 「友人か」
Kim 「…あなたと同じページを開きたいわ」
Kery 「同じページ?その本の…?」
Kim 「あたしたちのこと。私は友人はいらないの」
Kery 「ああ、あれね。あのこと。わかってるわ」
Kim 「いいの?」
Kery 「いえ、でもあなたのことは好きだからいいお友達でいられると思う」
Kim 「そうはいかないの。あなたはストレートだけど、私はそうじゃない。前にもそういう友人がいて、結局上手くいかなかったの」
Kery 「このままでいいじゃない。2人でいると楽しいし、気分が安らぐし。共通点は多いし…」
Kim 「だから友達ではいられないの」 |